第1章 ATMから預金が引き出された!
ATMから預金が引き出された!
彰男さんの母親から調査依頼を受けて1週間後、彼の携帯に公衆電話から着信がありました。
母親の洋子さんが出ましたが、無言のまま切れました。
さらに2日後、また着信がありました。
今回も、公衆電話からの着信でした。
さらに2日後、また公衆電話から着信がありました。
洋子さんが電話に出ると、彰男さんでした。
彼は「秋田市にいる。心配しないで」とだけ言うと、電話を切りました。
すぐに調査員を秋田に向かわせました。
同時に、秋田県内の宿泊施設やサウナなどの休憩場所、ガソリンスタンドや移動手段などをリストアップし、電話による聞き取り調査を開始しました。
調査員が現地に到着すると、まずは秋田駅周辺の聞き込みを行いました。
タクシー運転手が彰男さんらしき男性を目撃していました。
今どき公衆電話を利用する人も少ないので、記憶に残っていたそうです。
現地での調査を始めて2日後、彰男さんの預金口座に動きがありました。
彼は、自分の口座から3万円を引き出していました。しかも、お金を引き出したのは、長野県内のATMからでした。
彰男さんは、この数日の間に、自宅のある東京から秋田、そして長野へ移動していたことになります。
駐車場に彼の車がないことや、お金が引き出されたATMが不便な場所にあったことから、彼が車で移動しているだろうと確信しました。
翌日、また口座から5万円が引き出されました。
前回と同じATMだったことから、彰男さんがその後も長野にいることは明らかでした。
その日から3台の車で長野市内を捜索しました。
ガソリンスタンドでの目撃情報もあり、「今夜見つかる!」と確信しました。
夜中の2時。
調査員から彰男さんの車と同じ車種のものを発見したと連絡が入りました。
私はすぐに現地に駆けつけ、遠くから車を目視しました。
運転手に気づかれないよう、車両の真後ろまで近づき、暗視スコープで車のナンバーを確認しました。
彰男さんの車に間違いありません。
すぐにご両親に連絡をしましたが、真夜中でしたので、翌朝すぐに出発すると返事をもらいました。
我々は、ご両親が到着するまで彰男さんの車を監視し、無事に翌朝、ご両親が彰男さんと対面したのを確認し調査を終了しました。



