第1章 友人からの電話
彰男さんの友人からの電話
関西出身の彰男さんは、東京の大学を卒業すると、そのまま都内にオフィスのある会社に就職し、アパートでひとり暮らしをしていました。
ある日、彰男さんの実家に1本の電話がありました。
「彰男君の友人で川島と申します。彰男君、そちらに帰っていますか?」
電話に出た彰男さんの母・洋子さん(52歳)は、「いいえ、帰ってきてはいませんが」と答えました。
しかし、友人の様子を変に思った洋子さんは、すぐにこう言いました。
「彰男に何かあったんですか?」
すると、川島さんはこう答えました。
「実は、3日ほど前から彼と連絡が取れなくなったのですが・・・。」
洋子さんが詳しく事情を聞くと、友人の川島さんは、普段はメールや電話で彰男さんと毎日のように連絡をとっていたそうです。
しかし、3日ほど前から連絡が取れなくなり、心配になって彰男さんのアパートを訪ねたところ、ドアポストには3日分の新聞が刺さったままになっていたそうです。
不審に思いドアフォンを鳴らしても返事はありません。
「車ででかけたのかな?」と考えた川島さんは、彰男さんの自家用車が止めてある、アパートのすぐ隣にある駐車場へ行ってみました。
彰男さんの車はありませんでした。
「実家にでも帰ってるならいいんだけど・・・」
川島さんはそう思いながら、以前に彰男さんから聞いていた実家の電話番号に連絡をとってみることにしたのです。
母親の洋子さんは、ご主人が戻られるとすぐに、川島さんから聞いた状況を詳しく話しました。
ご両親は相談し、とりあえず川島さんから連絡をもらった翌日、まずは単身で母親の洋子さんが彰男さんのアパートに向かい、父親の浩さんは弊社に連絡をされ、私は相談を受けました。
母親の洋子さんは、彰男さんが住んでいるアパートに着くと、注意深く部屋の中を観察しました。
しかし、置き手紙や行方がわかりそうなものは見当たりませんでした。
洋子さんは、すぐに私どもに連絡をくれ、部屋の様子などを教えてくれました。



