第4章 あきらめないこと
その2.あきらめないこと
あなたはいつまで探し続けられますか?
こんな質問は酷でしょうし、嫌悪感を抱いた方もいらっしゃるでしょう。しかし、大切な人がいなくなり、最初の数カ月は日夜を問わず、日常生活を捨てて身を粉にして必死に探していた時期も、1年、2年と時間が経過すれば、当然、同じような捜索スタイルを維持していくことはできません。
しかし、“探す”という視点は維持し、どんなに忙しくとも、常にアンテナだけは張っていてください。
その意識が消えてしまうと、せっかく目の前を通った重要な情報すら目に入らず、発見がさらに遅れてしまうからです。
第2章でもお話しをしました、捜査願いを出すと、家出人は「一般家出人」と「特異家出人」に分けられます。
いなくなった当初は「一般家出人」として捜索願を出していたとしても、その後、情報を集めていく中で「特異家出人」に変わる場合もあります。
ですので、1年、2年経ったからとあきらめず、常にアンテナだけは張っておいてほしいのです。
ここで特異家出人について、もう少し詳しく説明をしておきます。
まず、特異家出人とは以下に該当する家出人のことです。
1.殺人、誘拐、強姦、強制わいせつ、逮捕監禁等の犯罪により、その生命又は身体に危険が及んでいるおそれのある家出人
2.少年の福祉を著しく害する犯罪(少年を虐待し、酷使し、又は有害な業務に就かせる等の悪質なものをいう)の被害にかかるおそれのある家出人
3.所在不明となる直前の行動その他、地形の状況、気象条件等からみて、水難、転落、交通事故等生命にかかわる事故に遭遇しているおそれのある家出人
4.遺言、平常の言動その他の事情からみて、自殺するおそれのある家出人
5.精神保健法(昭和25年法律第123号)第3条に規定する精神障害者で、かつ自身を傷つけ又は他人に害を及ぼすおそれのある家出人
6.病人、老齢者、おおむね13歳以下の年少者等で、家出後自力で生活する能力がないため、その生命又は身体に危険が及ぶおそれのある家出人
7.銃砲刀剣等、火薬類、毒劇物等を携帯している等の理由により、自身を傷つけ又は他人に危害を及ぼすおそれのある家出人
となっています。
たとえ家族に黙って姿を消したとしても、家出人が成人していた場合、それを警察が探すことはできませんし、たとえ発見されても警察や調査員が相手の意思に関係なく連れて帰ることはできません。一般家出人では、警察のデータに登録はしますが、捜査の対象として該当しないので警察も動けません。
ただし、「特異家出人」となれば動くこともできます。
つまり、捜索願や行方不明というだけでは捜査の対象にはならないのです。
何らかの事件に巻き込まれている、誰かに拉致・監禁されている・・・1年以上経っても見つからない場合、その可能性も再度疑ってみるべきでしょう。
まだ覚えていらっしゃる方も多いと思いますが、2000年1月に新潟県柏崎市で、自宅2階で9年2カ月に渡る少女監禁事件が発覚しました。
行方不明になった当時小学4年生の少女が、発見されたときには19歳に成長していました。
あなたが集めた情報の中で、もしも、そのことを警察に示せるものがあったならば、ただちに「特異家出人」として切り替えることが大切です。
そうなれば、刑事事件として警察も動き出します。



